ひのろーぐ Written by pinoran

副業解禁の大企業、それは・・・?!

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2016年2月に「副業解禁」を発表した大企業があります。

それは、

ロート製薬です。
ロート製薬と言えば、「メンソーレタム」や私の世代ではやっぱりクイズダービーが始まる前の、

ロート、ロート、ロート・・・、ロート製薬♪」の曲じゃないでしょうか。よく口ずさみましたよ。

そんなロート製薬は、23期連続増収、ヘルス&ビューティー分野を主力とし、今後は再生医療や食の文化にも事業拡大する大企業です。「副業」とは全く無縁な会社だと思われますが、なぜロート製薬のような大手製薬会社が副業を解禁したのでしょうか。

副業解禁のロート製薬の平均年収は?

副業を認めるということは、社員から「副業を認めてほしい!!」、「給料を上げないなら副業をさせてくれ!!」等の要望があるから、現在もらっている給料が少ないから、渋々副業を認めたのでしょうか?

あるサイトの会社分析レポートを見てみると、平均年収は643万円だそうです。(回答者は平均36.5歳)

・・・・・、36.5歳で平均で643万円なら羨ましい限りですが・・・^^;

回答者の70%以上は今の年収に満足しているそうです。70%以上というと相当高い数字だと思います。
更に口コミサイトを見ると、年功と成果評価もきちんと明確にされているし、住宅・家族手当もしっかりしており、製薬業界の水準を意識した額面を維持しているそうです。

年収、給料を査定する評価制度も目を見張るものがあるみたいですし、福利厚生も充実していそうですね。

副業を認める斬新かつ新たな試み

ではなぜ、平均年収に対して納得度も高いのに、ロート製薬は副業を認めたのでしょうか?

副業を認める斬新かつ新たな試み」とは?!

まず、ロート製薬は、今年の2月24日に社員の働き方に関する「社外チャレンジワーク」と「社内ダブルジョブ」という2つの斬新な制度を設けたのです。

社内チャレンジワークとは、土・日・祝・就業後に収入を伴った仕事に就業すること、つまり副業(兼業)を認めるという制度です。

社内ダブルジョブとは、1つの部署に留まらず、複数の部門・部署を担当できる制度です。

どちらも社員からの自発的な立候補によって社内で審査されます。この2つの制度は、社員のプロジェクトによるアイデアで生まれたそうです。

このうち会社公認で副業(兼業)ができる社内チャレンジワークはネットでも大きく取り上げられるほど話題になりました。かくいう私も普段から副業について色々な記事を読み漁っており、私が所属する中小企業ならいざ知らず、ロート製薬のような大企業が副業を認めるとはどういったいきさつなのか、非常に興味が湧き今この記事を書いています。

そもそも副業は法的に認められるものなのでしょうか?

結論から言うと、会社が社員の副業を禁止すること自体法律上原則として認められていません

雇用契約の本質は、「社員は契約で定められた時間、会社に対して労働力を提供し、会社はその対価を金銭で支払う」ので、就業規則等を通じて社員に会社の拘束が及ぶのは、あくまでも労働時間の範囲内だけの話しなのです。

ちなみに私の会社は10人以上の常雇の会社であるため、就業規則の作成が義務付けられており、従業員にその内容を徹底させなければならないのですが、私は一度も見たこともありません(+_+)

要望すれば閲覧はしてもらえるはずなのでしょうが、就業規則を徹底させるものであれば会社側から提示するのが筋だと思うので、自分からは意地でも要望しません。

話が私の場合にそれましたが、就業時間外であれば、何をしようとも社員の自由なわけです。
家で嫁や恋人と食事をしようが、サッカーしようが、デートをしようが、副業しようが全くおかしくないわけです。

それが前提の上で、「疲労が蓄積して本業に影響が出る」「本業と競業するような副業を行う」「本業の信頼を損なうような副業を行う」
というような場合に限っては、例外的に当該副業を禁止しても良い、ということが法律上の正しい考え方なのでしょう。

確かに、副業が忙しすぎて本業中に寝てばかりいたら普通に考えてアウトでしょう。

また、過去の事例で、「女性社員が連夜キャバクラで副業していた」「幹部社員が競合他社の会社を設立した」などにおいては副業禁止が有効であると会社側が勝訴したケースも実際にあります。

公序良俗というか、これは極めて稀なケースだと思いますが。

ですので、副業は本来法的には問題無いので、ロート製薬が副業を解禁したといっても当たり前といえば当たり前のことではあります。

しかし、そうはいってもロート製薬の新しい取り組みは物凄く大きな意味があるそうです。

副業の許可は誰に取ればいいの?

私の場合は、就業規則の存在すら知らないですし副業についての規則も知りませんので、副業をしています。
といってもブログを書くこと、サイトを作ることが趣味であり、趣味の延長が副業になっているので、特に上司や役員に副業をすることについての「許可」は取っていません。

ブログや趣味のサイト作りを禁止できますか?できないでしょう。

ちなみに以前の投稿で書きましたが、私の先輩は何かしらの理由でお金が必要になったらしく、仕事を終えた夜にファミレスでバイトをしていた時期がありましたが、その時は社長に直談判し、副業を認めてもらったと言っていました。

はっきりいって、基本的に法律的に副業は認められているとはいえ、私の場合、誰に副業の許可をもらえばよいのか、どのような副業の職種であれば許可が必要なのか、そもそも許可をもらう必要があるのか全く皆目見当もつかないのです。

しかも、本業に影響があるわけでもなく、また、他の社員に「あいつ副業やってんだって」と噂されるのも嫌なので黙っているというのが正解でしょうか。

もちろん会社相手に揉めたくはないので、敢えて法律的に問題ないわけですし、今の給料も厳しいので副業認めてもらえませんか?とも言えません。

やっぱりどこかまだ胸を張って「副業」という言葉を発すること自体に抵抗があるのが本音なのです。

そういったことを考えると、ロート製薬の副業解禁は、もちろん副業の許可基準はあるのでしょうが、安心して副業しても良いですよと会社側が認めたわけなので、社会的に意義のある発表だったと思います。

副業を許可した結果、副業にのめりこみ過ぎて本業がおそろかになった場合のチェック、指導、処分等も可能だろうし、本業と競合する副業を選択した場合は、副業を申請した時点で許可しなければ良いわけであるし、会社に許可申請出さずに副業を行った場合も規定に基づき処分すればよいのでしょう。

今までは副業がばれるかどうかは、所得税だったのですが(もちろんばれないためのテクニックもありますがここでは割愛します。ネットで「副業 所得税 ばれる」等で検索すれば出てきます)、

皆さんもご存じでしょう「マイナンバー」の登場により、副業が一気に明るみに出ることになりました。

「キャバクラでバイト続けられますか?」「マイナンバーで副業がばれるのですか?」といった質問がネットのあちこちで見られました。

合法的な範囲での副業であれば、それを理由に副業をやめさせたり解雇、減給等できないわけだし、裁判になったとしても最終的には会社ではなく社員側が勝訴できるのです。

ただ、最終的に裁判で勝訴できるとしても、ただでさえ個人vs会社ですので、裁判になること自体が金銭的にも精神的にも相当なダメージがあります。

それを見越して裁判やれるものならやってみろという強気な会社も少なくないのではないでしょうか。

私の会社はどうなんだろうか?

副業を認めない代わりに10万円昇給してくれるだろうか?

いやあり得ないでしょう。絶対あり得ないです。

そう考えると、副業をオープンにしづらいというのが今の世の中の現実なのでしょうね。

私のような給料に満足していないサラリーマンとしては、ロート製薬の「社外チャレンジワーク」は本当に理想であるし、この社外チャレンジワークが副業に対する考え方の標準基準になって頂きたいです。

会社側も社員が副業を申告しやすい雰囲気を作りだすことで、結果的に会社のためにも社員のためにもなると思います。

私の会社は、役員がどれだけ給料をもらって潤っているかは知る由もないですが、社員に関しては全員が数年前から給料を減らされ、毎年毎年ボーナスを減らされ、モチベーションも下がり負のスパイラルに陥っているので、会社の雰囲気は良い訳がないですよね。

転職を考えている者のいれば、転職できないから副業を考えている者もいます。
だからといって簡単に転職できる歳でもない人がほとんどです・・・。

ちなみに私は「給料を上げずにモチベーションを上げるには?」といった経営者向けの自己啓発セミナーにも参加したことがありますが、なるほどそれならモチベーションが上がるなと感心しました。

今回の副業のテーマとは外れるのでここでは特に言及しませんが、とてもタメなったのでリンクを貼っておきます。

株式会社ビズパワーズ「セミナー:給料や命令だけではできないモチベーションを高めて強い組織を作る方法」

私の会社のように負のスパイラルに陥っている会社がプラス方向に進むためには色々な要素があると思いますが、副業に関して言えば、ロート製薬が本当に良い道を示してくれました。

社員に副業を申告させることで、本業における社員の状況等も管理できるようになるはずですし、副業によってその社員の能力や適性が開花され、本業にプラスになることもあるはずです。

本業では無かった発想が、副業のおかげで芽生えるようになり、どう頑張っても本業だけだと100%だった発想が、副業のおかげで120%の発想が生まれれば、会社にとっても相当な利益となるはずなんです。

そういった意味もあり、実はロート製薬も副業の恩恵を想定し、社外チャレンジワークを導入していたというのです。

副業により生まれる強み

副業が本業のプラスとなる

ロート製薬が「社外チャレンジワーク」制度を導入した1つの理由として、「副業により会社の枠を超えて培った技能や人脈を会社に還元し、ロート製薬自身の多様性を深める」といった狙いがあったそうです。

ロート製薬のホームページには、会長と社長の連名で今後の進むべき道を説明しています。

冒頭で私のロート製薬のイメージを書きましたが、ロート製薬と言えば目薬のイメージがほとんどだと思いますが、今現在は目薬関連は売上高の30%に過ぎず、60%がスキンケア商品、残りの10%がフードビジネスだそうです。

ロート製薬のフードなど、私は全く想像できないのでネットで調べてみると確かにありました。

ロート製薬は以前のイメージから脱却し、多角化事業戦略を掲げ新規事業を展開するために「健康と美」というテーマを社員に植え込むためには、副業を解禁することは会社側にも多大なメリットがあると判断されたと思います。

社員が副業を通じて会社といった決められた世界の外で得た知識、経験を生かすことで、今まで絶対に生まれることのなかった発想、視野が会社に還元されるわけです。

これはロート製薬に限らず、どんな会社でも副業のもたらす効果はあるのではないでしょうか。もちろん、きちんとした規則ありきですが。

ロート製薬の副業解禁を決断した経営に携わる方、本当に素晴らしいと思います。

やはり発展する企業というのは固定概念に囚われない考え方ができ、実行できる行動力があるのでしょうね。

私の会社は・・・、今後どうなるのか楽しみです・・・。